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無痛分娩:無痛分娩に関する説明・方法(6)

無痛分娩に関する標準的な説明と、当院での無痛分娩の標準的な方法

⑥無痛分娩の副作用・合併症

【比較的起こりやすい副作用】
〇発 熱: ウイルスや細菌感染とは異なります。水分補給や体を冷やすことで対応します。
〇かゆみ: 痛み止めの副作用です。経過観察か保冷剤を当てます。
〇吐き気嘔吐: 麻酔の影響だけではなくお産の進行に伴うものや、陣痛促進剤の影響で起こることがあります。
ひどい場合は吐き気止めのお薬を使うことがあります。
〇麻酔効果不十分: 麻酔の管は経過中にずれることもあります。効果がなければ再度麻酔を行います。
〇分娩時間遷延: 麻酔薬は陣痛を起こす神経にも作用しますので長くなる傾向にあります。
適宜陣痛促進剤などで対応します。
〇吸引分娩の必要性: 分娩時間遷延や、麻酔の効果が強く出ることで微弱陣痛になり、
吸引分娩での娩出が必要になることがあります。
〇低血圧: 麻酔薬により血管が広がり血圧が下がり気味になることがあります。
予防策として点滴もとり、頻回に血圧を測定します。実際低血圧になった場合は血圧をあげる薬を投与します。
【稀に起こる副作用】
〇頭 痛: 背中から挿入する針が硬膜外腔の奥にある膜に小さな穴をあけることによっておこります。
痛み止めの内服薬や安静で対処します。1週間ほどで軽快します。
〇アレルギー: かゆみや発赤、息苦しさを訴えることがあります。
麻酔薬(歯科治療など)でアレルギーのあるかたは無痛分娩ができない可能性があります。
【非常に稀な副作用】
〇アナフィラキシーショック: 重症なアレルギーです(1/100000)
〇局所麻酔中毒: 麻酔の管が血管内に入ることより起こります。
血管内に入らないように慎重な麻酔操作をおこない、その後も異常がないか確認するために観察し早期発見に努めます(1/10000)
〇全脊椎麻酔: 麻酔の管が髄液の中に入ることで起こります。
慎重な麻酔操作と経過中に低血圧や足の麻痺がないかなどの異常の有無を常に観察しています(1/15000)
〇硬膜外血腫・膿瘍: 管を入れた周囲に血や膿の塊ができるものです。丁寧な麻酔操作により予防しています。(1/1000000)
〇神経障害: 麻酔の影響だけではなく、お産の姿勢や赤ちゃんの頭が骨盤の神経を圧迫するなどして起こります。(1/150000)

よくあるご質問